スタートアップにとってのアパレル生産について

近頃D2CブランドのOEM生産のご相談をよく受けます。極小ロットでできるだけ安くオリジナル商品を作りたいという内容です。D2Cブランドの多くは海外仕入サイトで商品を調達して、SNSで集客してBASEなどで立ち上げたネットショップで販売するビジネスモデルです。

このビシネスモデルで商売しているブランドにとっての欠点は他のショップと販売している商品が被ってしまうことです。こんな話がよくあります。「この商品が他のショップではもっと安い価格で販売されていた」とお客さんからお問い合わせが入るのです。これは顧客を最もガッカリさせることで、客離れを起こしたり、SNS上で悪い噂を立てられてブランドの生死に関わる問題に発展していく可能性がある。

それではなぜそのようなショップはオリジナル商品を作らないのか?それはアパレルの生産には生産ロット付き纏うからです。アパレルの生産は生産国や工場によって異なりますが、5点や1o点では工場が仕事を受けてくれないのです。スタートアップのブランドはその生産ロット分を売り切る販売力がまだ無いので、オリジナル商品の生産を断念せざるを得ない。

海外サイトでの仕入れは大きなメリットがございますが、他ブランドと商品が被ることや品質面などが原因でブランドを毀損させてしまう。オリジナル商品を少しずつでも販売していき、海外仕入サイトで商品を調達しているショップと一線を画するようにしてブランド力を高めることが成長に繋がるでしょう。

生産コストを抑えてロットを極力少なくすることはある程度できるので、アパレルの生産について詳しく深掘りしていきます。

■アパレルOEM生産

アパレルの生産は一般的に委託生産会社を通じて生産します。これをOEM生産と言います。OEMとは、「Original Equipment Manufacturing」もしくは「Original Equipment Manufacturer」の略称です。
商品企画、販売、プロモーションなどのアイデアを持っていても生産能力を有していないアパレル企業が、OEM生産のメーカーへ委託、メーカー側は委託者の仕様の通り製造します。委託者が商品のデザインやディテールを指示して、メーカーが生産から納品までの業務を請け負う仕組みです。

洋服の専門知識や貿易の知識がなくてもOEMメーカーを通して生産すれば作りたいモノが作れるのです。

■生産ロットは?

それでは実際生産ロットはいくつなのだろうか?それは生産国や工場、または素材によって異なります。

まず日本に拠点を置いてビジネスを行っている場合、生産国との物理的な距離が関わってきます。遠くなればなるほどリードタイム(発注から納品までの期間)が長くなります。国内、中国、韓国での生産が一般的です。一般的にリードタイムは日本、韓国、中国の順で長くなります。

そして国によって人件費などが異なりますので、生産コストも異なってきます。一般的に生産コストは日本、韓国、中国の順で安くなります。

それでは最低の生産ロットは一般的に以下のようになります。

●日本:極小

●韓国:50点〜

●中国:100点〜

日本のアパレル企業は中国生産が大半です。それは生産コストの面が大きく影響しています。また90年代以降産業構造の変化で生産が国内から海外に移ったため、アパレル生産に纏わる企業(生地屋、付属屋など)も海外に移りました。実際、生地は中国や韓国の方が豊富にあって可愛いという意見もあります。

総合的に判断すると中国生産が多くの企業にとってベストな選択だと言えるでしょう。

■生産コストについて

生産コストは生産国とロットで違ってきます。一般的に国内生産や韓国生産はそれなりの販売価格でないとコストが合いません。アイテムによりますが、販売価格が一万円を下まわるショップは中国生産でないとコストが合わないでしょう。

生産ロットでもコストが変わってきます。当然、大量生産はコストが大きく下がります。極小ロットは基本的にアップチャージしますので、コストが高くなります。一般的に生地は反買いですので、残布はコストに乗ってきます。そして生産に纏わる経費は生産ロットが少なければ少ないほど単価に大きく影響します。

またOEMメーカーのテクニックでコストに差が出るでしょう。生産に関わる経費を企業努力で小さくしたり、他の生産案件と抱き合わせてロット要件やコストを工場と交渉をしているメーカーがあります。このような努力でもう一歩のコストが合ってきたりします。

■まとめ

アパレルの生産はこの他にも様々な条件が絡んできます。その条件によってベストの選択は異ってきます。多くのスタートアップは小ロット、低コストで生産を請け負ってくれる企業を探していると思います。

弊社は今置かれている条件下でベストな生産方法をサポートしております。素材によって異なりますが、中国生産でも50点からの生産に対応しております。ご興味ございましたら、ご相談くださいませ。

アパレルOEM生産について | 株式会社シーブロス

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