D2Cというワードをよく聞きますよね。D2CとはDirect to Consumer」の略称で、消費者に対して商品をダイレクトに販売する仕組みのことを指します。 すなわち、自社で企画・製造した商品を、ECサイトなどの自社の販路で販売するモデルのことです。
なぜD2Cが拡大しているのか?それは小売ビジネスの根幹となる3つの要素が低リスク低予算で組み立てることができるようになったからです。
①商品開発・仕入れ:アリババなどのB2B(Business to Business)の仕入れサイトから低コストでトレンド商品を仕入れることが容易になった。
②販路:BASEやSTORESなどのECプラットフォームが登場し簡単に独自のネットショップを構築できるようになった。
③宣伝・広告:広告費をかけなくてもSNSで商品のプロモーションができるようになった。
誰でも簡単に自分のブランドを運営できるようになり、素敵な世界観を持ったクリエイターが自分のブランドを立ち上げて、化けるブランドを作れる時代になりました。今日はオリジナルブランドを立ち上げのために必要なことを解説したいと思います。
■ブランド名を決める

まず看板となるブランド名を決めましょう。ブランド名の付け方には考え方がいくつかあります。今後の展開を考えて戦略的にブランド名をつける方法と世界観がイメージできる単語や音、文字に起こした時のヴィジュアルなどの考えたクリエイティブな発想のつけ方など考え方は様々です。オンライン上での展開を考えるのは重要なことですが、思いを込めてブランド名を決めましょう。
■ロゴを作る
ロゴはネットショップのヘッダー、SNSのプロフィール画像、襟ネームなど一番最初に入る情報ですし、ブランドイメージに関わる部分です。
シンプルで一目でわかるようなものがセオリーです。書体が複雑すぎて読めないとブランド名を覚えてもらいにくくなりますし、デザイン性を強くしすぎると数年後見た時、古臭く見えたりします。ロゴをコロコロ変えることは好ましくありません。世界観を出すことは重要ですが、わかりやすく時代やトレンドに左右されないことをおすすめします。
ロゴデザインがご自身で出来ない場合、クラウドワークスやココナラなどのサイトに出品されている方にお願いしましょう。
●ココナラ
■ブランドネームを作る

ブランドオリジナル感を出すにはブランドネームを作りましょう。生産ロットを多く要求される場合が多いので、無理に作る必要がございません。
スタートアップには生産ロットがネックになることが多いので、アリババなどで少ない生産ロットで作れるところを探して作りましょう。
●アリババ
■商品を生産・仕入れる
ハンドメイドで作る、既製品を仕入れる、工場で生産するなどブランドの展開によって異なります。
スタートアップにとって、生産ロットは重くのしかかります。集客力、販売力がないと生産ロットを売り切ることが難しく、在庫過多となります。
アパレルの生産は生産国によってロットやコストが異なります。生産について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧下さい。
オリジナル商品の生産して販売したいという方は、小ロットでのアパレルOEM生産はこちらにご相談下さい。
D2Cブランドの多くは1枚から仕入れできてアリババなどで既製品を販売しているお店から商品を調達しています。それにはメリットとデメリットが存在するので大きな経営判断となります。
【メリット】
●1枚から仕入れできるので在庫リスクがない。
●在庫リスクと商品開発の手間がないため、最初から多くの種類の商品を販売できる。または専門知識が無くても商品を揃えることができる。
●完売後、再販までの時間が短くできる、または受発注で販売できる。
【デメリット】
●品質が不明。販売後のトラブルのリスクがある。
●他のお店で同じ商品の取り扱いがあるためブランドが毀損する。
●仕入れ先が海外サイトの場合、外国語でのやりとり。
スタートアップのショップにとってはメリットとデメリットを天秤に掛けた場合、この方法がベターだと言えます。セレクトアイテムとして扱いながら、オリジナル商品を少しずつ混ぜていき、販売力を付けていくことが良いでしょう。この場合、他のお店も同じ商品を取り扱っていることが多いので、ショップ上やSNS上での見せ方が勝敗を分けます。
■値段を付けましょう

ビジネス観点では一番重要な判断です。利益を生まなくては当然継続はできません。このビジネスは商品を仕入れる資金とは別に残った利益がないと継続できないのです。原価2000〜3000円のものを10000円で販売していると批判的な話題がありましたが、薄利では商売は続けられないのです。原価、人件費、経費、運転資金を販売価格から生み出さなくてはいけないのです。
様々なコストを計算して値付けしても、高すぎて商品が売れないのでは、これも商売が成立しません。商品の適正価格は購入者側によって決められます。一般的には原価率を30〜40%とすることが目安です。値付けは商品の魅力、品質、ブランド力、販売力、宣伝力、原価、経費のベストバランスを見つけ出さなくてはいけません。原価率が50%でも利益が出る構成になっていれば問題ないですし、原価率20%でも商品が売れていくのであればこの目安は必要ありません。どの価格帯がベストバランスなのか見つけましょう。
■販路を準備
ブランドのECサイトを構築
一般的にはネットショップを立ち上げて販売します。BASEやSTORESなどのプラットフォームの登場でネットショップの構築は簡単になりました。以前はWEBエンジニアやWEBデザインなどの専門知識を持った方出ないとネットショップは構築できませんでした。BASEやSTORESなどのプラットフォームは専門知識がなくとも構築できます。また支払方法、マーケティングツールもパッケージになっているので、資金に余裕がない場合やWEBやマーケティング知識がない方はBASEやSTORESでショップを開設しましょう。
●BASE
ECプラットフォームは他にもたくさんあります。どのプラットフォームを選ぶかは資金、今後の展開、遂行能力によって異なります。詳しくはこちらの記事をご覧下さい。
ネットショップを立ち上げてもスタートは集客はゼロです。ネット販売が伸びているからと言ってネットショップを作れば解決するわけではありません。しっかり宣伝しなくては集客できません。ECサイトへの集客はこちらの記事をご覧下さい。
●「ネットショップで売上が上がらない」ネットショップに集客するには?
ECモールへ出店
SNSでの集客はマストでしなくてはなりませんが、地道に更新していても集客が右肩上がりにならないケースが多数です。独自のネットショップのみでの販売でブランドイメージをコントロールすることは大事なブランディングです。しかし売上拡大を接客的に進めたい方はECモールへの出店も視野に入れましょう。
ECモールには楽天、アマゾン、ヤフーショッピングに代表される総合ECモールとゾゾタウン、マガシーク、ファッションウォーカーなどのファッション系ECモールに別れます。総合ECモールに出店して各モールで独自の戦略を展開して売上を上げていく方法とファッション系ECサイトで委託販売して販路を拡大する方法があります。出店後の運営していく労力やモールによって相性の良い悪いがあるので、どの方法が今の状況に適しているか考えて出店しましょう。ECモールについてはこちらの記事をご覧下さい。
卸販売
セレクトショップなどの実店舗で商品を取り扱いしてもらうことはとても大きな意味を持ちます。販路拡大や売上アップはもちろんのこと、オフライン戦略に重要な役割を果たします。実物を手に取ってお買い物できる場所になりますし、知名度がないと「よくわからないサイトで売ってる」と警戒されます。取り扱ってもらうお店にもよりますが、ブランドに信用が生まれます。
取り扱い店舗を増やせば単純に売上が増えますので、ロットやコストなど生産面に好影響が出るでしょう。まずは知り合いのお店で取り扱ってもらうことなどから始めましょう。一つ取り扱い店舗ができれば他の店舗にも営業活動がしやすくなります。地道ですが、大切なことです。
■まとめ
今のご時世、生産から販売まで簡単にできるサービスや仕組みがございます。ブランドを立ち上げることは難しいことではないですし、資金が少なくとも始められます。
アパレル業界は苦境に立たされていますが、成長しているブランドはたくさんあります。夢を持ってチャレンジ、はじめの一歩を踏み出しましょう。
弊社ではスタートアップからのサポート支援も行なっておりますので、ご興味ある方はお気軽にお問い合わせください。
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