ECサイトのプラットフォームはどれを選べばいいのか?

本日は自社ECと呼ばれる販路について解説致します。マーケティング戦略の根幹に4Pがあります。4PとはProduct(商品・サービス開発及びブランディング)、Price(価格戦略・支払い方法)、Promotion(広告宣伝)、Place(物流・販路)のことを指します。

販路は売上に直接関与する重要な要素です。単純に販路を拡大すれば売上は拡大していきます。アパレルの販路は実店舗販売(路面店・百貨店、ショッピングモール出店)、ECサイト・インターネット販売(自社ECサイト、ECモール出店)、卸売(小売店へ卸売)に分けられます。

この中で低予算ですぐに販路として採用できる方法が自社ECサイトの立ち上げです。もちろん持っている強みで販路の考え方は異なります。イベント集客などに強みがあるなら実店舗での販売が中心になりますし、セレクトショップなどの小売店にネットワークがあるなら卸売を中心とすることが最善の選択となります。

昨今のビジネス環境を考えるとまず自社ECサイトを中心に販路を展開していくことが最善の選択と言えるでしょう。そこで必要となることはどのECのプラットフォームを使用するかの選択です。低予算から高機能カートまで様々な選択肢があるので、どのプラットフォームが適しているか考えて選択しましょう。

■固定費を極力小さく運営したい

初期費用・月額利用料無料で簡単運用できるのがBASEとSTORESです。従来ECサイトの制作にはウェブデザインとコーディングの知識が必要でした。そのためECサイト立ち上げは自社で運用スタッフを雇用するか制作会社に委託するなど初期費用に予算が必要でした。また更新にも専門知識が必要となるため、運用にもランニングコストを要していました。そしてクレジットカードなどの支払い方法も決済代行会社と契約し、利用できるよう設置する必要がありました。

こういったことを誰でも簡単にできる仕組みを提供しているのがBASEとSTORESです。低予算・少数で運営しているブランドはBASEとSTORESをおすすめします。

●BASE

BASE

BASEは初期費用・月額利用料0円でECサイトを構築することができ、現在110万以上のショップが利用しています。また「BASEかんたん決済」で支払い方法がパッケージとなっています。クレジットカード決済、キャリア決済、コンビニ決済、後払いなどが含まれています。各注文ごとに3.6%+40円とサービス利用料が各注文ごとに3%かかります。通常各決済に月額費用と決済手数料がかかりますので、固定費無しで利用できるメリットがあります。

BASEかんたん決済

また、ショップの売上金を引き出す振込申請を行う際にも振込手数料と事務手数料がかかります。なお、売り上げの振込は振込申請から10営業日(土日祝除く)です。

メルマガ、インスタグラム販売、など集客・販促のアプリを提供しています。そしてTシャツやスマホケースを作成できるアプリもありますので、ショップ開設後の運用のサポートも充実しています。

BASE アプリ一覧

●STORES

STORES

STORESは月額費用無料のフリープランと月額1,980円のスタンダードプランがあります。フリープランは決済方法が限られますが、豊富で登録可能な商品数は無制限です。また、決済手数料は5%ですが、クレジットカード決済、キャリア決済、コンビニ決済などは利用できます。スタンダードプランを利用すると決済手数料3.6%になり、支払い方法も代引きやAmazon Payなどが利用できます。

オプションの手数料を支払うと、売上金を翌日に振り込まれるスピードキャッシュサービスや、保管・梱包・発送をお任せできる物流サービスなども提供しています。

BASEと同じく集客・販促ツールが利用できると共に運用効率UP、顧客対応、分析・広告ツールと連携できます。

STORES 機能紹介

BASEかSTORESかの選択は機能の判断となります。今後も新機能が追加されていくと思いますので、最新の情報収集をしてから判断しましょう。

■機能充実の有料カート

一般的に有料カートはBASEやSTORESより機能制限が少ないので、ショップの世界観表現できるレイアウトや高機能のツールを使用できま。ブランディングやマーケティング面で選択肢が増えますので、売上アップの戦略がより採れるようになります。またデザインの自由度が高いので、ブランドの世界観を表現できことが無料カートとの最大の違いです。ECサイトにかける予算があれば有料カートを選ぶことをおすすめします。

●Future Shop(フューチャーショップ)

Future Shop

アパレル企業から人気があるのはFuture Shopです。デザインの自由度が高くブランドイメージや世界観をネット上で表現できます。アパレル特有のサイズガイド表示やカラーバリエーションの表示が充実しています。お洋服のお直しとお直し有料オプションが設定できるので、顧客サービス面に強みがあります。

そのほかにもサイト回遊率を上げるレコメンド機能、会員ステージ機能、LINE連携などより精度の高いマーケティングツールが利用できます。実店舗があるショップにはポイント制度や会員データーを統合するオムニチャネル化でき、顧客満足度の向上が叶います。

機能が充実しており、外部システムとの連携も可能なため利用料金は高めです。プランが5つあり、初期費用は22,000円から52,000円で、月額利用料も22,000円から52,000円となっております。またサイト構築の難易度も高いため専門知識のあるスタッフもしくは外部委託しないと運用ができません。ある程度規模の企業でないと選択肢に入らないでしょう。

●MakeShop(メイクショップ)

MakeShop

機能数の多さが魅力のMakeShop。600を超える機能があり、大手も多数利用しているプラットフォームです。例えばこのような機能がございます。

・あと○円で送料無料機能 → 客単価を上げる施策

・会員制機能 → 会員限定セールが可能。顧客ロイヤリティとLTVの向上

・ポイント機能 → ポイント付与。リピーターを増やす施策

・ランキング機能 → 回遊率向上や商品の売れ行きのコントロールに効果的

・SNS連動機能 → SNS集客が簡単にできる

・外部サービスと連携→外部の管理ソフト、販促機能、決済機能との連携

・バリエーション機能 → サイズや色など商品に選択肢を加えて販売できる。

サポートが充実していて、メール・電話でのお問い合わせに対応、専任アドバイザー、質問掲示板もあり、初心者の方には心強いサポートがあります。

利用料金はそこそこリーズナブル。初期費用10,000円、月額利用料金は7,000円から10,000円です。心強いサポートがあるもののオリジナルのサイト構築には専門知識が必要で、カスタマイズしたい方には初期コストがそれなりに必要となります。

●COLOR ME(カラーミーショップ)

COLOR ME

コストパフォーマンスが高く、導入実績が多いのがカラーミーショップです。最大の特徴は利用料金がリーズナブルなこと。初期費用無料で月額利用料の最安プランが834円で最大でも7,223円です。しかし決済手数料が高めなので売上が増えていくと手数料の負担が大きくなることが難点です。小さい規模からはじめられてショップの成長と共にプランを上げていくことができます。

機能はフューチャーショップやメイクショップと比べると少なめです。アプリストアを開設して機能面の強化は今後期待できるようにはなっております。

以前は最もコストパフォーマンスが高いプラットフォームでしたが、BASEやSTORESの登場前でコストのメリットが薄れていってる印象です。

■その他のショッピングカート

●EC CUBE

●Shopify(ショッピファイ)

Shopify

カナダで創業されたECサイト作成サービスです。世界ではシェアNo.1を誇り、世界175ヶ国で利用されています。流通総額10億円を超える業界のジャイアントです。

導入コストがリーズナブルで29USドルからあり、流通量の多いショップ用のプレミアムプラン299USドルまであります。高いカスタマイズ性がメリットで4000を超えるアプリがあります。

世界175ヶ国で利用されているので、越境ECにチャレンジできる環境です。多言語と世界各国の決済方法に対応していますので、越境ECが視野に入っている方は導入をおすすめします。

デメリットは世界基準のプラットフォームのため使いにくさを感じることがあります。一部日本語対応になっていなかったり、日本特有のサービスがアプリでの対応となるため日本製のプラットフォームと比べて不便に感じることがいくつか存在します。